創業110余年、成田山表参道「川豊」の行列が途絶えない理由。2026年、進化する老舗うなぎ専門店の「今」に迫る
成田 山 川 豊(なりたさん かわとよ)の暖簾をくぐると、香ばしいタレの香りと威勢の良い職人の声が五感を揺さぶる。成田山新勝寺の参道で大正元年から続くこの老舗うなぎ専門店は、今や国内の参拝客だけでなく、成田空港から直行する外国人観光客で連日溢れかえっている。
成田を訪れる旅人にとって、秘伝のタレが染み込んだ極上の蒲焼を味わうことは、旅のハイライトそのものだ。SNSで世界中にその名が拡散された現在も、成田 山 川 豊は伝統の「串打ち三年、割き八年、焼き一生」の職人技を頑なに守り続けている。
職人の技が光る「割きたて、蒸したて、焼きたて」のこだわり

「パチパチ」と炭火の上で脂が弾ける音が心地いい。川豊の店頭では、熟練の職人が見事な手捌きでうなぎを捌き、串を打ち、焼き上げていく。このライブ感こそが、訪れる人々を惹きつけてやまない魅力の第一歩だ。
うなぎは鮮度が命。川豊では、その日に使用する分だけを井戸水で締め、活鰻の状態から調理する。蒸しを入れることでふっくらと仕上げる関東風のスタイルは、口に入れた瞬間に溶けるような柔らかさを生み出す。
2026年のインバウンド狂騒曲と「待ち時間」のDX変革

2026年現在、成田空港の旅客便数が過去最高を記録する中、参道はかつてない活気に満ちている。かつては数時間待ちが当たり前だった川豊の行列だが、最新の整理券システムやオンライン予約連携の導入により、観光客の利便性は劇的に向上した。
スマートフォンで待ち時間を確認しながら、近くの新勝寺を散策する。そんなスマートな観光スタイルが定着したことで、限られた滞在時間を有効に使えるようになったと旅行者からも好評だ。
創業以来継ぎ足されてきた「秘伝のタレ」に隠された歴史

川豊の味の決め手は、大正元年の創業以来、一滴も絶やすことなく継ぎ足されてきた秘伝のタレにある。うなぎの旨味が幾重にも溶け込んだそのタレは、甘すぎず辛すぎず、絶妙なコクを誇る。
何度もタレにくぐらせて炭火でじっくりと焼き上げることで、うなぎの身とタレが一体化する。ご飯との相性も抜群で、最後の一粒まで飽きずに箸が進む。
地元民がこっそり教える、混雑を避けて味わうためのベストタイミング
週末や祝日ともなれば、参道は身動きが取れないほどの混雑を見せる。少しでもスムーズに店に入るなら、平日の午前10時台、開店直後を狙うのが鉄則だ。
また、夕方の閉店間際も比較的狙い目だが、うなぎが無くなり次第終了となるため注意が必要だ。早めの時間帯に整理券を確保し、計画的に行動するのが賢明だろう。
うなぎ資源の未来と老舗としての持続可能な取り組み
世界的な水産資源の保護が叫ばれる中、うなぎ業界も大きな転換期を迎えている。川豊では、持続可能な養殖うなぎの積極的な採用や、資源管理団体との連携を通じ、未来へ伝統を繋ぐ取り組みを進めている。
ただ美味しいものを提供するだけでなく、100年後の未来にもこの食文化を残す。老舗としての強い覚悟が、その一杯のうな重に込められている。
参道散策とセットで楽しむ、成田山新勝寺の参拝ルート
お腹を満たした後は、すぐ近くにある成田山新勝寺への参拝が定番のコースだ。広大な境内には、国の重要文化財に指定されている仁王門や三重塔など、見どころが点在している。
歴史ある寺院の厳かな空気を感じながら、参道の活気ある雰囲気を楽しむ。川豊での食事を含めたこの一連の体験こそが、成田観光の真髄と言えるだろう。 (出典: 成田 山 川 豊(Yahoo!ニュース))